「うつ病には十分な休息が必要」は本当なのか?
「うつ病には十分な休息が必要」
病院でも本を見ても、ネットを調べてもそういうことがよく言われています。
どうして休息が必要なのかというと、
うつ病は脳の機能が低下している状態と言われています。
だから、十分な休息をとって脳を休ませることが必要ということなのです。
会社員なら仕事を休職して、主婦なら家事を休んで、数週間から数ヶ月の休息を取ることが必要というのです。
そして、休んでいる間は、あまり色々なことを考えずのんびりと過ごすことが大切。
何もしないでぼーっとして、気兼ねなくゴロゴロすることが回復への近道だというのです。
休息を取るとうつ病が長引く
しかし、それで本当によくなっている方はどれくらいいるのでしょうか?
私はとても疑問に思います。
なぜなら、言われたとおりに休養を取ってうつ病が長引いている人があまりにも多いからです。
あるクライアントさんは、お医者さんに会社が原因だから一年間休職してゆっくり休みなさいと言われ、一年間休職した結果、うつ病が悪化しました。
そして、どうにかして欲しいと私の前に現れました。
私のうつ病経験を持つカウンセラー仲間も言われた通り休養を取った結果、悪化したり長引いたりした方がほとんどです。
休養をしている間にしていることは「グルグル」考えること
それでは、なぜ「休養」を取ったにも関わらず悪化したり長引くのか?
それは「休養」している間にうつ病の方がしていることに起因しています。
うつ病で休養をしている間に、多くの人がしていることは何か?
それは「グルグル」考えることなのです。
「無理をしなくて良いんだ・・・」と
安堵できるのは最初だけで、休養し続けていると
ドンドン、頭がヒマになっていきます。
ヒマになった頭は、うつ病のことや悪いことばかりを考えるようになります。
安易に「休養しなさい」「のんびりゴロゴロしてなさい」
と言われても、ずっとそれをし続けるのは苦痛なのです。
具体的に何をしたらいいのか分からないままの「休養」は辛いのです。
休息中の思考はネガティブがほとんど
ずっと仕事をしていた人が、何カ月も仕事をしなくなると、不安が襲ってきます。
間違っても「自分はこんなに怠けていていいのだろうか」などと気に病んだり自分を責めたりしないようにしてください。
と医師から言われていたとしても、実際には色々考えてしまうのです。
「このまま戻れなくなってしまうのではないだろうか?」
「自分の戻る場所がなくなっていたらどうしよう?」
「自分がいなくても会社は全く平気なんだ。」
「自分はいてもいなくてもいい存在なのではないのか?」
ヒマなので、色々考える時間だけはたくさんあるのです。
そして、ネガティブなことを考えていることが本当に多いのです。
休んでいるのに身体が全然楽にならない、辛いのはどうして?でも書きましたが、
不安や心配、自責の念が新しいストレスとなると、睡眠に影響が出てきたり、悪循環を生みます。
そうして悪化したり、長引いてしまうのです。
まとめ
疲れた身体や脳にはもちろん十分な休息は必要ですが、適度に休めば疲れは取れます。
大切なのは、休息の期間ではなく、休息している間の内容です。
休息している間に、仕事で疲れてしまいやすい考え方を修正したり、楽しいことをしたり、ワクワクしたり、脳や心を健全な状態にしてあげることが重要です。
休息をしても頭の中が不安や心配でいっぱいになっていたらマイナスにしかなりません。
始めは十分な休息が必要ですが、ヒマになってきたときの心のケアがとても大切なのです。
「うつ病には十分な休息が必要」
大切なのはその休息の中身なのだということを理解する必要があります。
またそのケアをしっかりしていくことだと思います。
新宿・都内のカウンセリング
うつ病(予防)克服カウンセラー 林真路