精神科医とカウンセラーの違い
うつ病かな?と思ったときには病院に行くという選択肢が一般的だと思います。
最近は震災などでの活躍などで、カウンセラーの認知度も上がり、カウンセリングという選択肢も取られる世の中になってきました。
しかし、まだまだ分からないというのが現状のようです。
では、精神科医とカウンセラーの違いは何なのでしょう?
意外と分からないという方が多いみたいですのでお伝えしたいと思います。
簡単に言うと、精神科医はお医者さんです。
カウンセラーは、臨床心理士や認定資格を持つ人のことを指します。
(資格がなくてもカウンセラーとして活動できます。)
精神科医
精神科医はお医者さんなので、診察をしてお薬を出すのが仕事です。
患者さんの話を聞いて、検査や診察をして、その症状に合ったお薬を出すということが仕事内容になります。
現状は、保険の点数的にも話を聞いてもお金にならないことや、患者さんが多くて一人の人にそれほど時間をかけていられないということがあり、3分診療、5分診療となっていることがほとんどです。
また、お医者さんは、症状を聞いてどんな病気かを診断することに悩みます。
過去のケース、症例、知識などからこの患者さんは何の病気かを決めるのです。
そして、その病気や症状にはどんなお薬が合うのか、効くのかを決めるのです。
ある精神科医の方が話してくれたことがあります。
患者は精神科医のことを心の専門家と思っているが、私たちは患者がどんな病気でどんな薬を処方したら良いのかしか勉強してきていない。医療に必要なことは学んできたが、心のことはほとんど学んでいない。それどころか、小さいころから勉強ばかりして、コミュニケーションは苦手だし、付き合う人もそういう人ばかりの特殊な環境で育ってきた人の方が多い。
心の専門家どころか、心や人とのやり取りが苦手な人の方が実際には多いのだ。
と、そんなことを話してくれました。
現在は、精神科や心療内科でカウンセラーを配置する病院も増えてきています。
精神科と心療内科と神経内科の違い
精神科医と心療内科と神経内科の違いを簡単に見てみましょう。
精神科は精神疾患を専門に扱う科です。
心の症状、心の病気を扱う科であるということです。
うつ病、不眠症、統合失調症(幻覚、幻聴、妄想)などがそうです。
心療内科は主に心身症を扱う科です。
心身症は身体疾患ですので、身体の症状を扱う科であるということです。
心身症、社会不安障害、自律神経失調症、パニック障害、摂食障害などがそうです。
神経内科は脳神経系の疾患を扱う科です。
脳血管障害やパーキンソン病など、神経の病気を扱う科であるということです。
カウンセラー
カウンセラーはお医者さんではないので、診察をしてお薬を出すことができません。
クライアントさんのお話を聴いて、心理療法などを用いて回復に導きます。
日本では、心理士、心理カウンセラー、心理セラピストなどの心理職には国家資格がありませんでした。
その一方で民間の心理学関連の資格は多数存在していて、取得の難易度も専門職としての知識を必要とする資格から、容易に取得できてしまう資格まで、基準がありません。
金額も3万くらいで取れてしまうものから300万以上かかるものなど差が激しい状態です。
2015年9月9日に、「公認心理士法」が参院本会議で可決し、成立したので、今後は公認心理士法が心理職での唯一の国家資格ということになります。
しかし、まだ成立したばかりで、その効果が実用的になるには、まだまだ時間がかかると思います。
すでに心理職として活動してきている方は取得しない可能性も高く、今後どうなっていくか注目したいところです。
カウンセラーに関しては、カウンセラーについてという記事で詳しく書きたいと思いますので、そちらを参照して頂けたらと思います。
まとめ
精神科医とカウンセラーはすることも出来ることも全然違うということです。
診断して病名を付けお薬を処方する精神科医と、話を聴いたり心理療法で回復に進むカウンセラー。
私は、病院に行く前に、一度カウンセリングを受けてくださいと強くお願いしたいです。
うつ病の薬は8割以上が効いていないというデータもありますし、病院に行って悪化するケースが本当に多いからです。そして、薬がやめられない、副作用などの二次的な問題も起こってきます。
薬が効いて元気になれればいいのですが、そうでない方が本当に多いです。
病院に行く前に、カウンセリングを受けるという選択肢も是非持って頂きたいです。
うつ専門カウンセラー林真路