「リラックスできません。どうしたらリラックスができるのでしょうか?」
カウンセリングをしていると、よくこの言葉を聞きます。
リラックスなんて、簡単に出来るじゃん!
音楽聴いたり、歌を歌ったり。
お風呂にゆっくり浸かったり、アロマを焚いたり。
自然や動物と戯れたり。
そう思う人が多いと思うのですが、本人にはそれが分からないし難しい。
実はリラックスの方法が分からないのではなく、
リラックスが出来ない、リラックスをしてはいけないと思っていることが問題なんです。
この記事の目次
リラックス出来ない理由
例えば、音楽を聴こうとも思えないし、聴いてもリラックスできない。
お風呂に浸かりたいとも思えないし、浸かってもリラックスできない。
だから、私はリラックス出来ないと思うわけです。
もう一つ、リラックス出来ない理由があります。
それは、リラックスしてはいけないという気持ちが自分の中にあるからです。
こんなに頑張れてない、何も出来ていないダメな自分がリラックスなんてしていていいのだろうか?
そういう気持ちがあるので、リラックスしようとしても、気が気じゃないし、自分はいけないことをしているのではないのか?
という気持ちになってしまうからです。
これだと、リラックスできるはずがありません。
だから、大切なのは、初めにその考え方を切り替えてあげることなんです。
リラックスしてみたい!
リラックスしてもいいんだ!
そういう気持ちに切り替えてあげることが必要です。
① 気持ちの切り替えをしてあげること
では、どうやって切り替えたらいいのか?
私がカウンセリングでどうしているのかというと、
・どうしてリラックスすることが必要なのか?
・リラックスが出来ない状態が続くと心身はどうなるのか?
ということを、ちゃんと知識として伝えます。
ただ、伝えるのではなく、相手がなるほど!と腑に落ちることが必要です。
具体的には、10~15分程度でストレスマネジメントのお話をすることが多いです。
そうすると、「だから深呼吸なんですね!」「お風呂に入ってみようと思いました!」
など、クライアントさんの気持ちが変わることが多いです。
ストレスマネジメントについての記事(①~⑤まであります)
ストレスマネジメント① ~ストレスとは?~
また、ストレスマネジメントの話から、リラックスすることが今のあなたにとても必要なことで、それを頑張ることが、自分のためにも周りのためにもなるんですよ、とも伝えています。
頑張るべきは、リラックスすること、そしてリラックスしてもいいんだという自分への許可を作ってあげることになります。
そうすると、今まではリラックス出来なかった自分だけど、これからはリラックスしてみたいという気持ちに切り替わるわけです。
下記はクライアントさんとのLINEでのやりとりです。
私 : 明日は出来るイメージや、深呼吸してから寝るだけで一日の最後を変えれますので挑戦していって下さい(^_^)
A : そうだ深呼吸でした。さっき教わって、なるほどって納得して希望的な気持ちになったのに忘れかけてました。。自分を責めながら眠るところでした。。
ここがポイントです。
なるほどって納得して希望的な気持ちになった
自分を責めなくてもいい
そうクライアントさんが思えていることが大切なんです。
これが、ファーストステップ
① 気持ちの切り替えをしてあげること
になります。
② リラックスを体感すること
そして、次のステップが必要になります。
それは
② リラックスを体感すること
人はその効果が実感できないとやろうとも思えないし、継続できないからです。
しかし、この体感は上手くいく人とそうでない人が現れます。
上手くいかない場合は、他のリラックス方法、その人に合うリラックス方法を一緒に探してあげるといいです。
一人で上手く出来ないという人は、どうやったらいいのか、さっぱり分からなくなっていることも多いので、呼吸、脱力誘導などから、その場で一緒に体感したり、時には一緒に公園や自然があるところに出かけたりして、体感しやすい状況を作ったり、補助をしてコツを伝えたりしてあげることもよくあります。
枠にはまってリラックス出来ないケース
また、枠にはまってリラックス出来なくなっている場合があります。
あるクライアントさんは、リラックスにチャレンジしてみようと、「自然の音で癒し効果&ストレス解消」というアプリをダウンロードしました。
始めは音楽をかけながら眠りにつきぐっすり眠れたんですが、翌日以降、段々雨の音がなんか気になる。他の人は凄い効果が出ているのに、同じものを聞いても私はそんな効果はでない。私はやっぱり何かおかしいんじゃないのか?
そんなことを思い始めてリラックス出来なくなってしまっていたのです。
それを聞いた私は、あなたが聞きたい音楽、心地よいと思える音楽でいいんですよ。仮に激しい曲が心地いいならそれでもいいんです。と伝えました。
すると、「え?いいんですか?f分の1の揺らぎとかα波とか、そういうのじゃないといけないと思っていました。」と。
また、すぐに他の人と効果を比べてしまっていましたので、人によって感じ方は違うから、自分がいいと感じるものを探していけばいいんですよ。とも伝えました。
そして、クライアントさんの好きな音楽、心地よい音楽に変えて貰ったところ、リラックスして眠れたということでした。
すぐにダメだと思ってしまう思考の癖
このように、ちょっとしたことで、不安になったり、ダメなんじゃないか?とすぐに思ってしまいます。
「昨夜はせっかくリラックスできたのに、仕事から帰ってきたら、とても怠くて…。散歩に行くつもりで今の今まで用意をしていたのに外出できそうにありません。なぜこんなに短時間の間に浮き沈みが激しいのか…、がっかりします…」
こんなメッセージがリラックス出来た翌日には届きます。
でも、それは仕方がないことで、すぐに毎日リラックス出来るようになるわけではありません。
嫌なことや、気になること、落ち込むことがあると、すぐにリラックス出来ない、リラックスしてはいけないという脳に切り替わってしまうからです。
それでも、今まで全くリラックス出来なかったのが、1日出来ただけでも前進ですし、これから増やしていけばいいわけです。
しかし、出来ていることより、出来ていないことを見る癖が付いていますので、中々そこには気付けないですし、そう思うことが出来ません。そこも何度もお伝えしたりして、視点が切り替わるようにしていく必要があります。
③ 習慣化させていくこと
この辺りになってくると習慣化の問題になってきます。
今までそういう思考パターンでずっときたので、意識していないと今までの自分の思考パターンにすぐに戻ってしまうのです。
強いバネを伸ばしてもすぐ戻ってしまうような感じです。
でも、何度もバネを伸ばしていくと、強いバネも段々戻りが弱くなっていって、そのうち戻らなくなります。
リラックスも心の状態から出来る、出来ないが生まれやすいので、リラックス出来ている状態を増やしていって、リラックスが出来る習慣に変えていくことが大切になります。
これが、
③ 習慣化させていくこと
になります。
まとめ
こうして、
① 気持ちの切り替えをしてあげること
② リラックスを体感すること
③ 習慣化させていくこと
のステップでリラックスが出来るようにしていきます。
ただ、私が思うのは、リラックス出来ないということも、結局は、自分がダメだという認識が起こしているのだと感じるのです。
自分は今までのように、仕事も家事も、何も出来なくなってしまった。
私は価値のない存在。
人に迷惑をかける存在。
こんな私はいなくなった方がいい。
これがなくならないと、リラックス出来ないという事態が起こりやすくなってしまいます。
そうなってくると、リラックスの問題ということではなくなってくるのです。
メンタル不全(心の病)のほとんどは、ここから起こっているといっても過言ではないと思っています。
それでも、①~③のステップをすることは有効で、リラックスできると、自律神経が整い、体調も良くなっていくし、体調が良くなると、心も元気になっていきます。
自分がダメだと思う心の根本問題を解決していくと同時に、リラックスさせるなどの対処療法も用いて、相互にやりながら良くしていくことが必要なのだと感じます。
ただ、習慣化などは一人で気付いて一人で行動して実践していくのはとても難しいので、やはり専門家のサポートや家族、理解ある人のサポートが必要なんだと強く感じます。
そんなお互いに助け合える余裕のある社会を作っていくことも必要だと感じています。
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うつ専門カウンセラー 林真路