第2回マイプロ勉強会
2016年5月11日に第2回マイプロ勉強会『日本の精神医療の現状とACTプログラムの取り組みについて』を開催しました。
今回は司会進行をさせて頂きましたが、感じることや得られることがとてもたくさんな回となりました。
スピーカーは
・NPO法人リカバリーサポートセンターACTIPS
上田昌広さん (ケースマネージャー/相談支援専門員)
逆井裕美さん (ケースマネージャー/相談支援専門員)
日本の精神医療の現状
知っていましたか?
「日本は世界一精神科病床数が多い国である」
「精神科病床数が増えている国は全世界で日本と韓国だけである」
また、世界で入院日数が一番長いのも日本です。
一度入院するなかなか退院できない傾向にあります。
世界では1週間、長い国でも60日。
しかし日本だけがダントツで300日近く入院しているのです。
そして、精神疾患を抱えた人は一般社会から切り離されて生活することを余儀なく求められている。
そして孤立していき、生きる意味を喪失する。
これが日本の精神科医療の現状なのです。
「ACT」支援プログラム
こういった状況を解消し、一般社会とのつながりの中で人間らしい生活を送りながら、地域で生活するために「ACT」という支援プログラムが存在します。
「ACT」は「Assertive Community Treatment」の略で、重い精神障害を抱える人たちが、住みなれた地域で安心して暮らしていけるような支援を行うプログラムです。「包括型地域生活支援プログラム」とも呼ばれます。
下記「ACTのページより」
我が国に現在ある福祉および医療の地域サービス体制では、網の目からこぼれ落ちてしまい、生活状況を悪化させ地域で充実した生活を送ることができない、重い精神障害を持つ人たちを対象とし、ACTを実施している。
ACT(包括型地域生活支援プログラム)とは、利用者の生活の場への訪問を中心に、さまざまな職種の専門家がチームを構成し、各々の利用者のニーズに沿い、福祉・保健医療全般をパッケージで提供する支援プログラムである。米国で開発され、各国で入院日数の減少や利用者の地域生活の向上などの成果を挙げているプログラムである。
うつ病の課題と精神医療の課題は同じ
日本の精神医療は先ほども述べたように、
世界一の病床数、一度入院すると長い、社会から切り離されたところ、
孤立していく、生きる意味の喪失
と、負の連鎖が続いています。
うつ病のクライアントさんの課題と酷似しています。
薬も効かず、症状が良くならない。
仕事も何年も出来ない状態が続き、社会から孤立していく。
まとめ
大切なのは、こういった現状をまずは知ること。
現状を知らないと、課題も何も見えてこない。
また、すでにそういった課題に新しい切り口で取り組んでいるACTさんのような団体もあります。
私はACTさんの「チーム医療」というスタイルでの取り組みや、
クライアントさんとパートナーのように一緒に進んでいくというマインドと姿勢が、
これからの医療には必要なのだと感じました。
また、カウンセラーとして、協力していきたいと感じました。
うつ専門カウンセラー林真路