対話(ダイアログ)
ダイアログって知ってますか?
ギリシャ語の「dialogos」という言葉から生まれた言葉だそうですが、「対話」という意味です。
なんだ、対話ね
なんて思っていると大間違いです。
ダイアログ(対話)って凄いんです。
・お互いへの信頼や相互理解、共感
・今までに気付かなかった共通の目的や見方、視点などを感じとれること
・会話から新しい気付きや発想が生まれ新しく作られていく感覚
・自由に話し合った!という実感
など、得られるものがたくさんあります。
ダイアログとは?
ダイアログとは、自分の考えをオープンに開示しつつも、自分の主張や立場に固執せず、自分と相手の考えの背景を探求しながら、相互理解を深めるための会話
答えは参加者の中にある「のではない」。ダイアログにより答えが生成される。答えを引き出すのではなく、皆で作る(見つける)
目的は結論を出すことではなく、テーマの意味を探求し、互いの考えを深め合うこと
「ダイアログ」を体験
昨日はマインドプロフェッショナル(マイプロ)として、
うつ病の方への再発予防訓練、職場復帰・再就職支援を行っている株式会社リヴァさん主催の
うつ関連サービスゆる交流会 ~ゆるく「つながり」「対話し」「互いに考えを深め合う」ことで何かうまれるかも??~
に参加してきたのですが、そこでみんなでやったのが「ダイアログ」でした。
良い「ダイアログ」は下手なカウンセリングより、よっぽど気付きもあるし、受容されるし、枠も外れる。
そう感じたので「ダイアログ」を広めていきたいなぁと思いました。
リヴァさんのプログラムの中でも利用者さんに一番人気なのがこの「ダイアログ」ということも、やってみて納得でした。
反面、場を作る力、ファシリテーターの力も必要で、参加する人によっては難しいという場合もあるだろうなとも感じました。
どうして「ダイアログ」が素晴らしいのか?
どうして「ダイアログ」が素晴らしいのかというと、
それは対話(ダイアログ)を始めるにあたっての心構えにあると言えます。
「ダイアログ」には約束があって、その約束を始める前に参加者で読み上げます。
<皆の心構え4ヶ条>
- 自分の意見を主張する
まずは自分の考えを言わないと対話が始まらない。
他人の立場をあれこれ指摘する前に、自分の考えや、そう考える背景を、皆に発信する
- 他人の意見を尊重する
自分の意見を言うと同時に、他人の意見とその背景も聴いて、理解しようとする。
「そういう考え方もあるか」と共感して他人の意見を受け止める
- 判断を保留する
「自分が正しくて他の人が間違っている」という考えから離れる。
相手の意見の欠点や弱点を探したり、自分の立場や見解に固執したりしない
- 探求プロセスであることを意識する
結論を急がず、手っ取り早い結論に飛びつかず、問いかけ続ける。
また、時折訪れる沈黙を恐れない。
自分たちの中にある思い込み、常識、暗黙の了解を疑い、
自説が変化することを容認する
カウンセラーは自分の意見を主張する方はあまりいないかもしれませんが、
背景を聴く。
共感する。
受け止める。
判断、評価しない。
自分の考えや立場や見解に固執しない。
沈黙を受容する。
思い込み、常識を疑う。
など、大切なことが一緒でした。
このマインドで会話ができると、対話になります。
対話は相手を尊重する心がないとできません。
ダイアログの可能性
「開かれた対話」というドキュメンタリー映画があります。
フィンランドの小さな町の精神科病院の取り組みを紹介する映画で、この病院では「薬を使わない」統合失調症の治療に取り組んでいて劇的な成果を上げているのです。
医者が「治療してやる」のではなく患者や家族とともにより良い治療法を「開かれた対話」によって「選択・開拓」していく。
[youtube id=”_i5GmtdHKTM” mode=”normal” autoplay=”no”]
フィンランドでは精神病治療への代替アプローチとしてオープンダイアローグ『開かれた対話』の取り組みがなされているのです。
まとめ
この「ダイアログ」の心構えで人々が常に他人と関われたら?
世の中はもっと生きやすくなるのではないかと思います。
現代は居場所を求めている人がとても多くいます。
それは、自分の存在や価値が認められる場所がとても少ないからです。
ありのままの自分でも受け入れられる
何かをしなくてもいい
そんな場所が必要なのだと思いますが、この「ダイアログ」が広まれば、
自分の存在や価値が認められる社会に近付くのではないかと思います。
そして、そんな社会になれば、うつ病はなくなっていきます。
うつ専門カウンセラー林真路