「再発はありますか?」という質問
うつ病のカウンセリング(3~8回、約1~2カ月)をして元気に回復されたクライアントさんに、「最後に不安や心配なことはありますか?」と尋ねると必ずと言っていいほど聞かれる質問があります。
それは
「再発はありますか?」
「再発したときはどうしたらいいですか?」
「再発しないようにはどうしたらいいですか?」
という「再発」についての質問です。
結論から言うと、再発がないなんて言えません。
人間ですから、誰でも落ち込んだり塞ぎ込んだりすることはあります。
二度とうつ状態になることはないなんて、言えるほうがおかしいと思うのです。
この質問は、「もう風邪は引きませんか?」
と質問していることと同じで、
「ちゃんと予防していたら引きにくいですし、それでも引いてしまうことはあります」
と同じことだと思います。
うつ病の方が再発しやすい理由 ~こころの理由~
私はそう質問された方に必ずお伝えしていることがあります。
それは再発しやすい理由についてです。
人間、誰しも調子がいい時ばかりではありません。
嫌なことや身内の不幸など、様々なことが時には起こります。
そして、それが起こった時に人は落ち込んだり塞ぎ込んだりすることもあります。
ただ、ここでうつ病を経験した人としていない人では考え方がかなり分かれてしまうのです。
うつ病を経験していない人は、
「こういう状況だし仕方がない」
「楽しいことを考えよう」
「気分転換をしよう」
など、そこまで引きずられることがありません。
そして、その内に勝手にいつも通りの生活に戻っていきます。
これに対して、うつ病を経験した人は、
「あ、またあの感覚がやってきた…」
「再発したかも…、どうしよう…」
と、すぐにうつ病と結び付けてしまうのです。
うつ病の始まり~うつ病は病院でうつ病と診断されてから本当に始まる~でも書きましたが、頭の中がうつ病でいっぱいになると、うつ病はどんどん悪化していきます。
気にしないで放っておいたら、知らないうちに楽しいことをしていたかもしれないのに、
わざわざ、うつ病の方に行こうとしてしまうのです。
考え始めると止まらなくなり、どんどん不安と心配が頭を支配していきます。
そうするとうつ病の負のスパイラルへと入って行きやすくなります。
ここに問題があるのです。
ですので、人間だから再発はある!くらいに思っていた方が楽です。
大切なのは、そこでうつ病とすぐに結び付けたりしないことや、頭を不安でいっぱいにしないことです。
うつ病は病気ではなく症状
私はうつ病は病気ではなく症状だと認識しています。
うつ状態はどんな人にもあります。
私のセミナーでは体験談をよく話して頂くのですが、その体験談を聞いたうつ病ではない方がよく言われるのが、
「私もあの時に病院に行っていたら間違いなく、うつ病と診断されていたと思います」
という言葉です。
誰にでもうつ状態は起こります。
要するにそれが起こった時にどうするかが大切ということです。
その状態がずっと長引いているにも関わらず放置したり、悪戯に不安に駆られたりすることが良くないということです。
同じ状態になっていても、うつ病にならなかった人達は、周りが楽しいことに誘ったり、気晴らしに連れていってくれていたり、話を聴いてくれたりなど、意識がうつに向かないような状況が起こっているのです。
あとは、一人でないということも共通しています。
うつ状態は対処したら良くなる
うつ状態はちゃんと対処したらすぐに良くなります。
現に質問をされたクライアントさん達は何年も良くならなかったうつ病が良くなったわけですし、その対処方法も学び身に付けたわけです。
ストレスマネジメントもうつ病になる仕組みも分かりました。
うつ病なんて何も怖くないのです。
まとめ
うつ病の再発を恐れてしまうのは最もなことですが、大切なのはこころの向きです。
こころの向きが不安や心配、うつなどの負の方向に向いてしまうことが問題です。
うつ状態になっても対処したら怖くない!
うつ状態なんて人間だから起こるのは当たり前。自然なこと。
またうつ状態にならないように、ストレスマネジメントをしっかりすること。
仲間や居場所を持つこと。
自分を大切にすること。
やりたいことや好きなことを持つこと。
自分らしくイキイキと生きること。
など、うつ状態を遠ざける努力も必要です。
もし、万が一うつ病になってしまったら、早めに私のカウンセリングを受けて下さい。
うつ病かな?と思ったら病院に行く前に私に相談して下さい。
新宿・都内のカウンセリング
うつ病(予防)克服カウンセラー 林真路