第3回マイプロ勉強会
2016年6月8日に第3回マイプロ勉強会『表現することの可能性 セラピーとしてのアート』を開催しました。
平日の夜にも関わらず50人近い方が参加し、3時間超の長丁場でしたが、みなさん最後まで真剣に聴いて下さいました。
スピーカーは
50年以上にわたり色彩心理学実践の第一線でさまざまな活動を行い、日本のアートセラピーの地盤を築いてこられた
「末永蒼生」さん
表現アートセラピストとしてアートが心に与える影響や可能性を体験できるワークショップなど様々な活動を行ってきた
「吉田エリ」さん
アートセラピーを代表する二人の貴重なコラボセミナーとなりました。
夢の対談では、吉田さんが質問して、末永さんがそれに答えるという感じで対談は進んでいきました。
アートセラピーを始めた頃に末永さんの本を読んで学んだという吉田さんにとっては、末永さんは大先輩に当たるそうで、同じ大学の先輩でもあるそうです。
色彩心理研究家 末永蒼生
末永さんは分析や流派よりは、目の前にいる人を大切にして、そこから学ぶと言われていて、ご自身のメソッドのことを「メソッドなきメソッド」と呼んでいます。
だからこれをするという決まったことがないそうです。
例えば、目の前で苦しんでいるお母さんがどうやったら楽になるのか、ただそこにフォーカスして出来ることを色々考えてやるだけ。
うつのカウンセリングでもそうです。
これをすると決めてやるのではなく、その人の状況に合ったことをやっていきます。
これをしたら必ずこうなるということはありませんし、毎回が真剣勝負で一緒に同じゴールに向かって進んでいきます。
またアートセラピーは描くだけではなく、自分達でシェアすることが大切。
そうすることで、自分達で新しいものを作り出していけたり、気付きが生まれたりすると言っていました。
対話(ダイアログ)の可能性と素晴らしさ~うつ病への効果も期待~でも書きましたが、対話の効果ととても類似していると思いました。
まずは自分を表現し、相手をそのまま受け入れて、評価しない。
アートでも対話でもこういった、お互いがありのままを表現し、ありのままを受け入れていくことで、様々な気付きや新しいものが生まれてくるのだと感じます。
そして、アートは深いところにあるトゲを出さないと 楽しい色は出て来ない。
浄化、吐き出すことが大切。
また共同作業でリラックスが生まれて、段々自分を出すことが出来るようになる。
と言っていました。
人の感情の構造、『 怒り→悲しみ→喜び→楽しみ→感謝 』のように、怒りや悲しみを吐き出さないと、喜びや楽しみは出てこない。まして感謝には至らない。
表に出なくなってしまった感情がアートを通して出てくる。そうして深いトゲが出てくることで浄化されていく。そして楽しい色がでてくる。
またそれは人との関わりの中のリラックスした雰囲気の中で生まれやすいということも納得でした。
また、簡単な塗り絵のようなワークでも、それは楽譜を提供しているのと同じで、それに好きなように描くことで様々な個性が出るから同じものにはならない。塗り絵でも十分に効果があると言われていました。
<アートセラピーのサイクル>
強いショック
↓
今を喪失
↓
恐怖や不安を発散
↓
今を感じる感覚を回復
学校教育など評価される社会に中に生きていると、人は周りの目や評価を気にして、周りに合わせていくようになる。そうすると自分が表現できなくなっていってしまう。
そんな世の中において、アートを通して自由に描くことが、抑圧された感情を吐き出すことになり、今を感じる感覚を回復していくことに繋がる。
アートセラピーの可能性を強く話されていました。
医療や様々な分野でもアートセラピーは効果が期待できると感じました。
もちろん、うつ病にもです。
表現アートセラピスト 吉田エリ
吉田さんは表現アートセラピーを論理的に分かりやすく伝えて下さいました。
(以下、簡単なまとめ)
感性への刺激をする
記憶と感情が一致したときに癒される
対象をありのまま描く
右脳が働く
気付きやリラクゼーション
心の内面
現実の世界
両方右脳を使う
何かを説明するために描く(シンボル)
言葉にできない何かを描く(アナログ)
表現媒体
絵画、音楽、ムーブメント(動き)、文章、造形、ドラマ
クリエイティブコネクション
絵画→ムーブメント→音楽
プロセスワーク
テーマ&フロー
過去→現在→未来
自分→他者→統合
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その後は簡単なワークをしました。
参加者の表情がみるみる変わっていきました。
一度体験してみることをお勧めします。
やはり体験するのが一番です。
画像で雰囲気を感じて頂けたらと思います。
吉田さんは「生きることは創造と表現」と言っています。
自分自身を知りたい・・というあくなき欲求の末のこの言葉に伝わるものがありました。
今この瞬間を創造して表現して生きていきたいと思いました。
まとめ
二人は共通して自己の探求をずっとされてきた。
その経験から語られる言葉には同じ言葉でも深く感じるものがありました。
そして、お二人の話を聴いて感じたのは、やはり大切なことやこころが辿り着く先は同じだということです。
アートセラピー、カウンセリング、コーチング、その媒体は何でもいいのだと思います。
受け取る人が様々であるから、様々なアプローチが存在している。
その人に合ったもので、その人が良くなることが大切なのだと思います。
だから「 マイプロ 」では、繋げることをしたいと思っています。
必要としている人に一番適した心の専門家を繋げる。
そのためにも心の専門家が横で繋がることや、レベルを高めていくことが必要です。
マイプロ勉強会はそのためにもすっと継続していきたいと思います。
末永さんは分析とか流派とかより、目の前にいる人を大切にし、そこから学ぶと言われていました。
心の専門家が組織や垣根を超えて目の前にいる人のために繋がり協力していくことが必要なのだと思います。
新宿・都内のカウンセリング
うつ病(予防)克服カウンセラー 林真路