Now & Here

普通に戻りたいではなく、今ここでできることに目を向けてみる

人は過去ではなく今を生きている

「あの時こうしてれば良かったのに…」

「どうしてもっとこうしなかったんだろう…」

 

人は現状がうまく行かなかったり、辛かったりすると、過去に目を向け、過去を後悔します。

そうしなかった自分、出来なかった自分を責めたり、人のせいにしたり、現状を憂います。

 

そして現状がうまく行っていない人ほど

「昔はこうだった」

「あの頃は良かった」

と言います。

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そうすることで、今や未来が良く変わるのであれば、それを続けることもいいのかもしれませんが、過去を見ている限り、現状は何も変わらないのです。

 

人は過去ではなく今を生きているからです。

今までのように普通に戻りたい

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私がうつ病のクライアントさんに、どうなりたいですか?と聞いて一番多かった答えが

「今までのように普通に戻りたい」

です。

 

普通に生活ができなくなってしまった今は本当に辛く、どうしていいか分からない。

だから、何も贅沢は言わないし望まない。昔のように普通に生活ができればいい。

と。

 

人は、うまく行かない、どうにもできない状態が続くと、良い未来を考えられなくなります。

未来が見えないし、考えるのは辛いし怖いから、過去の良かった時とは言わなくても、普通の状態でいいから戻りたいとそこに意識がいってしまうのです。

 

普通に戻りたいということが悪いわけではないですし、そう思ってしまうのも仕方がないことなのですが、過去に目を向けてしまっているということです。

未来への不安

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それでも、明日はやってくるわけで、生きていかないといけません。

しかし、自分の未来を考えてみても、

「このままずっと働けないのでは?」

「このまま年を取っていくだけだったら…」

未来が不安で不安で怖くて仕方がなくなります。

 

人は、未来は現在の延長線上にあると考えます。

今が悪いと、きっと未来も悪いと考えてしまうのです。

 

そして、未来に何も希望が持てなくなると、生きていることの方が辛くなり、

死を考えるようになります。

 

しかし、実際には未来に何が起こるのか、どうなるのかは誰にも分かりません。

大地震が起こるかもしれませんし、本当に効く新薬が開発されたり、新しい治療法が見つかるかもしれません。

ある男性の話

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私がフリーター生活をしていた頃に一人の男性に出会いました。

筋萎縮性側索硬化症という全身の筋肉がやせて力がはいらなくなり最後は呼吸の筋肉(呼吸筋)も働かなくなって大多数の方は呼吸不全で死亡してしまうという難病です。

人工呼吸器を使わない場合、病気になってから死亡までの期間はおおよそ2~5年と言われているそうです。

 

すでに彼は歩けなくて車椅子でしたし、病気にかかってから何年も経過していました。

しかし、彼は笑顔で、私に言いました。

「今も新薬は開発されているし、新しい治療法が試されている。

だから、未来がないと決まったわけではないし、僕は今を精一杯楽しく生きているよ。」

と。

もしかしたら自分に言い聞かせている言葉でもあったのかもしれませんが、

彼の笑顔とその言葉を発する力強さに、人のこころはここまで強くなれるのかと感動を覚えたものです。

Now & Here

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『 悩みとは、過去の後悔と未来の不安でできている 』

ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズ博士はこう言いました。

 

過去に起こったことを後悔してみても、過去は何も変わらない。

そして、まだ何も起こっていない未来のことを心配してみても、どうにもならない。

唯一変えられるのは、今というこの瞬間しかないということです。

人は過去も未来も生きられない。

今しか生きられないのです。

 

そして博士は、

過去の後悔や未来の心配や不安にとらわれるのではなく、

“Now & Here(今、ここで)

あるがまま(等身大)の自分でできることをすることが大切。

と言っています。

 

私はこの考え方が大好きです。

 

そして、

“Now & Here(今、ここで)

「未来の希望や夢やゴールを描きながら」

をプラスしていけたら、最高だなと思います。

 まとめ

『 悩みとは、過去の後悔と未来の不安でできている 』

と言われるように、どうにもならないことに目を向けるより、

今ここでできることに目を向ける。

 

とてもシンプルですが、シンプルが故にまた難しいという一面もあると思います。

分かっているけれど、それが出来たら苦労しない。

 

しかし、過去の後悔と未来の不安 に答えがないのも事実であると思うのです。

 

現状から抜け出したい、変えたいと願うのであれば、

まずは今ここでできること に意識を向けようとするところから始めてみるのはよいのではないかと思います。

 

うつ専門カウンセラー林真路

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